2018年9月30日、大阪・心斎橋にある「アセンス心斎橋」と、住吉区にある「アセンス駒川中野店」が惜しまれつつ閉店されました。
読読(よんどく)のサイトをオープンしたのが2015年12月1日で、同じ年の夏に関西と東京の書店を100店舗ちょっと回りました。
まずはご近所さんからということで、大阪市内の書店から攻めたんですけど、その初日に訪問させていただいたお店のひとつがアセンスでした。
閉店した心斎橋アセンスさんの思い出
最初に訪問したアセンス・アメリカ村店
※画像はアメリカ村店
本屋さんのサイトとかやってると、本屋さんに足しげく通い、めっちゃ精通しているとか思われそうなんですけどそんなことは全然なくて、読書自体は昔から好きでしたが、本屋さんは特別いろいろ行ってるわけではありませんでした。
定期的に行くのは近所のジュンク堂くらいで、いわゆる本屋さん好きの方のように、あっちこっちのお店を行脚するみたいなこともありませんでした。
そんな僕ですが、心斎橋アセンスの存在は知っていました。
なぜなら、高校生くらいのときに買い物とかで大阪に来たときに、よくとはいいませんが、お店に何度も行ってたからです。
当時はビルが丸ごと本屋になってて、3階か4階か忘れたけど美術書とかのコーナーが充実していたのを覚えています。
なので、読読立ち上げ時も、まずはアセンスは行っとこうと思ってたんですけど、ちょうどそのとき改装工事中で、心斎橋のお店は閉まってました。
代わりにアメリカ村店があることを知り、そこに突撃したのでした。
※画像はアメリカ村店
冒頭書いたように、サイトの件で本屋さんを回った初日で、ちきんと話を聞いてもらえるのか不安は多少なりともありました。
基本的にアポなしの飛び込みで行ってたので、「舐めてるんですか」みたいな態度とられて、けんもほろろに即撤収みたいな事態も想定していたんですけど、その日回ったお店はアセンスさんをはじめどの書店もきちんと話を聞いてくださり、どちらかというと協力的な感じでした。
その後、サイト立ち上げ前に撮影にうかがい、2016年10月に心斎橋アセンスがリニューアルオープンしたときも、取材に訪れさせていただきました。
スタッフの磯上さんには、読読内のコラムもご執筆いただき、ほんといろいろお世話になった感じでした。
というわけで、アセンスのスタッフのみなさんにはめっちゃお世話になりました。
ありがとうございます。
ちなみに、当サイトで掲載いただいてお店のページはこちら。
心斎橋アセンスの思い出
プレゼントキャンペーン(9/15-30)
「#アセンスの思い出」であなたの思い出を教えてくれませんか?心斎橋アセンスの最後のフェアhttps://t.co/b3dYdO1dE0
画像は、なつかしい建て替え前の心斎橋アセンス pic.twitter.com/wYJ47lQu3L
— 心斎橋アセンス (@book_athens) 2018年9月19日
閉店が決まったあと、上記のキャンペーンをやられていました。
これには参加しませんでしたが、個人的な心斎橋アセンスの思い出はというと、ひとつは稲垣足穂。
たしか『人間人形時代』の単行本だったと思いますが、真ん中に穴が空いてる本で、同書を初めて見たのが心斎橋アセンスで、なんだこれは!? となったという、どうでもいいような思い出なんだけど、なんだかムダにその光景をよくおぼえています(たしか高校生くらいの頃だったと思います)。
もうひとつは、24歳くらいのときだと思うけど、女の子とデートして、堀江でランチを食べた後、ふらふらと心斎橋界隈を歩き、アセンスの前を通ったときに「なにかおすすめ本教えて」と言われてお店に入りました。
たしか2階だったと記憶しますが、文芸コーナーに行って、保坂和志の文庫がいくつかあったので「おもしろいよ」とすすめしてみました。
ベタにデビュー作の『プレーンソング』をすすめたんだけど、その横に『猫に時間の流れる』があったので、猫好きだったらこっちもいいよみたいなことを言ったときに、その子が「てか、「の」の使い方がよくわからない」って言ったのを何だか鮮明におぼえています。
すかさず、「この「の」の使い方は、『ヒサの旋律のなりわたる』の「の」と同じ「の」の使い方やんか」みたいなことは当然言わなくて、といって論理的にきちんと説明もできなかったので、たぶん「ま、おもしろいから」とかなんかそんなことを言ったんだと思います。
2つともどってことない話ですが、それがなんだかよくおぼえている心斎橋アセンスの思い出。
そういえば、今は東京にいる友達のN君とSさんが、たしか心斎橋アセンスで出会ったって言ってたな。
(その話を聞いたときに、それナンパちゃうんかよってつっこんだけど、真相はわかりません)
小冊子『私と、アセンス。』
【小冊子完成!】
最後のフェアの特製小冊子、遂に完成‼︎
『私と、アセンス。』
結局見本から表紙題字や紙など、若干の変更がありました。
早速本日より発送を開始しておりますので、皆さまのお手元に届く日も近いかと!中々良い出来なのでは?と思っています、是非お楽しみ下さいませ♪ pic.twitter.com/Ug5iglLbSu— ”読む”を愉しむ 〈心斎橋アセンス〉 (@yomutanoshimi) 2018年10月17日
上のプレゼントキャンペーンの景品である小冊子『私と、アセンス。』
特別に僕にも一部ご送付くださり、先日届きました(ありがとうございます)。
みなさんの「アンセンスの思い出」の投稿はこちらから。
さいごに
9月末日、ご挨拶もかねて心斎橋アセンスさんに行きました。
パトリシア・ハイスミスの文庫(『キャロル』)が出てたので、最後にそれを買いました。
まあ、行きつけというほど通ってたわけではありませんが、やっぱ多少なりともかかわりがあったお店が閉店するのはさみしいですね。