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フィッシュマンズの「SEASON」を聴いて織田作之助「六白金星」を思い出す

織田作之助 オダサク

 

オダサク
オダサク
こんにちは、オダサクです。
読み猫
読み猫
フィッシュマンズとなんか関係あるんですか?
オダサク
オダサク
ないですね。
読み猫
読み猫
てか、いらすとやに織田作之助あるんですね! そっちにびっくり。

フィッシュマンズの「SEASON」を聴いて織田作之助「六白金星」を思い出す

織田作之助の「六白金星」

主人公の楢雄(ならお)は、めっちゃ鈍臭いやつ。

見た目も頭も悪く、唯一の得意技は「蝿を獲る」ことで、「心の寂しい時は蠅を獲つた」って大丈夫かよ楢雄って感じですがw、それに比して兄貴がまた絵に描いたような優等生。

滅多に家に帰ってこない親父は、そんな出来のいい兄をかわいがり、楢雄は邪険にされる。

ひがみ根性が出て、でもそんなだとよけいに嫌われるといっそサバサバしたけど、やっぱ子供心に悲しく、兄に追いつこうと勉強に取り組むも、

「しかし兄には追ひ付けず、兄の後(うしろ)でこが異様に飛び出てゐるのを見て、何か溜息つき、溜息つきながら寝るときまつて空を飛ぶ夢、そして明け方には牛に頭を齧かじられる夢を見てゐるうちに、やがて十三になつた」

 

ここまでが冒頭の800字くらいで、この「牛に頭を齧かじられる夢を見てゐるうちに、やがて十三になつた」ってとこが好き。

小学校から十三になるまでにはいろいろあったろうに、そこは一切語られず、「空を飛ぶ夢、そして明け方には牛に頭を齧かじられる夢を見てゐるうちに、やがて十三になつた」って飛躍が、単に文章としておもしろい。

(一応つっこんでおくと、優等生の兄ちゃんも後でこが異様に飛び出てんのかよw)

フィッシュマンズの「SEASON」

フィッシュマンズの代表曲のひとつ、シーズン。

途中で下の歌詞が出てきます。

忙しくて会えないね だんだん暑くなっていくよ

こんな季節を遊びたい 君をそばに置いて

風を呼んで 風を呼んで 君をそばに呼んで

季節の中を走りぬけて もうすぐ秋だね

この箇所、「だんだん暑くなっていくよ」ってことで、時期的には6月とか7月、まあ初夏ですよね。

で、彼女と戯れてるあいだに「季節の中を走りぬけて もうすぐ秋だね」って、時期でいうと9月くらいの話になってる。

初めて聴いたときは、どっちやねんと思ったけど、そうじゃなくて、楢雄が牛に頭を齧られている夢を見ているあいだに十三になったように、彼女と季節の中で遊んでいるうちに、ひと夏が過ぎてたわけですね。

 

で、この飛躍が気持ちいい感じなんですけど、あるとき、オダサクの六白金星の牛の夢のとこみたいと思ったわけです。

といってぼくも精神を病んでいるわけではも、風邪薬でやられちまってるわけでもないので、フィッシュマンズの「シーズン」を聴くたびに楢雄が牛に頭を齧られている夢を見ているあいだに十三になった話を思い出しているわけではなくて、

まあ1回とか2回とか、そんなもんなんですけど、同じようなことを思った人が世の中にもう一人くらいはいるじゃないかなと思って書いてみました。

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ユニバーサル ミュージック

ロングシーズンと小沢健二

この「シーズン」にはロングバージョンがあって、タイトルはそのまんま「ロングシーズン」といいます。

ワントラックで35分以上、ライブだと40分以上の演奏になって、いろんなバージョンがあるんですけど、やっぱ上のラストライブのやつが好きです。

(ラスト間近の佐藤伸治のロングトーンのギターがなんともいえない感じで)

 

このロングシーズンのライブ初演がデ・ラ・ソウルの来日公演のときで、前座で出てきて「ロングシーズン」1曲だけやって帰っていきます。

前座で長尺の1曲だけやって帰るってのもなかなかですが、実際会場はざわつくというか、異様な雰囲気になったそうです。

で、その会場に小沢健二がいて、見入っていたというのが伝説的に語られています。

 

フィッシュマンズと小沢健二はいろいろと因縁があったりするのですが、そのあたりは川崎大助さんの『フィッシュマンズ 彼と魚のブルース』に詳しく書かれているので、興味のある方はぜひ。

オダサク関係ないですけど。

さいご

読み猫
読み猫
フィッシュマンズとオダサクさんって、直接的にはとくに関係なかったですね。
オダサク
オダサク
だから最初にそう言うたでしょ。